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図1 エクササイズ実施学級(実験群)と比較対象学級(統制群)「変化量」

 

細な結果については、「平成6年度千葉県長期研修生研究報告7)」をご覧ください。

 

<SGEの効果の事例的検討(「気になる生徒」の変容)>
この実践においては、SGEの効果による生徒の変容を、質問紙を中心に調べましたが、さらに、学級担任の先生に、担任として日頃から気になっていた生徒(担任として援助する必要があると思われる生徒)の名前と、気になる内容・理由を事前に書いてもらい、この「気になる生徒」の変容を中心に観察を行ってきました。ここでは、その中の2名について述べます。
?@『気になる内容・理由』について:
[A君]:自分自身を低く評価する傾向がある。また、自分の世界に閉じこもりたがることが多く、家庭では友人の来訪すらいやがる。友人との限られた個人的なつきあいはできるが集団での活動にはまったく関心を示さない。
[Bさん]:2学期になって転入してきた生徒である。前の学校では、リーダーとして活動していたが、この学級では仲間から遊離した感じをもっている。
?A「気になる生徒」の変化:
構成的グループ・エンカウンターの実践を通して、二人がどのように変容したのか。このことについて、学級担任の目にはどのように映ったのか、担任からの報告をまとめました。
[A君]
『ほとんど変容を感じることができなかった。彼自身、大きな変化を望んでおらず、そのための行動を進んでおこすようなこともしない。できれば集団の中に埋没してしまいたいと考えているようなところが見られた。エクササイズ中の活動もそのような姿勢であったと思う。(しかし、A君の変化を質問紙によって、プラスの変化としてとらえることができていたのです。)』

 

 

 

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